看板で起承転結ストーリー

店舗の各所にある看板に意図的に「ストーリー仕掛け」を施すことで、客単価を挙げることができます。
これはストーリー仕掛けで誘導することにより、店に対する期待感を高めて、お客様の財布のひもを緩ませるのです。
なお、このストーリーは「起承転結」で仕掛けると効果的です。

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ストーリー仕掛けの効果はどのようなもの?

商品はただやみくもに並べて恰好良く見せるだけでは売れません。
もっとも、やみくもに並べた場合、恰好良くにはならないとは思いますが、それはさておき、物を売るためには、お客様に「何を見せ」(起)、「どこを通ってもらい」(承)、「何を買ってもらうか」(転)「如何に次につなげるか」(結)という一連の流れを仕掛けておくことが大切になります。
そしてこの起承転結ストーリーを効率よく実現するのが看板の役割です。

看板によるストーリー仕掛けの法則

看板で起承転結ストーリーを作り出すときは、次のような原則に基づいた看板作りをすると、お客様をワクワク・ドキドキさせることが出来ます。

  1. 特徴を一言であらわす(起)
  2. 特徴の裏付けになる現物を見せる(承)
  3. お客様を引き込む(転)
  4. 何を買ってもらいたいか明確にする(結)

特徴を一言であらわす(起)

PRする時は一つのテーマに絞り込んでアピールするほうが強いインパクトがあります。
例えば、「なんでもあります」というお店よりも「このような商品を扱っているお店です」とアピールしたほうが、より多くのお客様に支持される場合が多いのです。

特徴の裏付けになる現物を見せる(承)

お客様が購入に至るまでに目にするものが、店の特徴を裏付けるものであるほど、お客様の期待は高まります。
例えば、「鮮度」を売りにしているならば、新鮮な食材を実際に並べてアピールすることで、購入することへの期待を高めることができるのです。

お客様を引き込む(転)

お客様を確実に誘導するために、お客様が自然と吸い寄せられるコーナーを設けます。
例えば「食品コーナーに試食コーナーがあります」の看板を1枚あるだけで高確率で食品売り場に誘導することが可能です。

何を買ってもらいたいか明確にする(結)

例えば、試食コーナーに、「この商品は…」などの説明書を掲示し、周囲に関連商品を配置します。
これにより「ついでに関連商品も買ってみようかな?」とお客様に思わせるのです。

商品看板で五感に訴えよう

ある商品を効果的に販売するためには、その商品を現物展示、すなわち、商品そのものを看板化(商品看板)することがおススメです。
商品を看板化することにより、速効的に五感に訴えることができ、より売れやすくなります。

商品看板のメリットは何だろう?

商品看板の最大のメリットは人の五感に訴えることができることです。
人間は言葉だけで説明(聴覚に訴える)するよりも、ポスターを見せながら説明(視覚+聴覚)したほうがより心に残ります。
商品そのもの看板化し、例えば試食なども同時に行えば、視覚や聴覚にとどまらず、嗅覚・触覚・味覚の五感全部に訴えることが可能です。

五感に訴える具体的な商品看板方法

具体的な商品看板の方法としては、「商品の裸化」「ボリューム陳列」「補助POP&声かけ」

商品の裸化

可能な限り商品を露出させて展示させる方法です。
ビニール袋や紙袋から商品を取り出して展示することで、味覚以外の四感に訴えることができます。

ボリューム陳列

商品を立体的に陳列することで、注目度をアップさせる方法です。
基本的には視覚のみに訴える方法ですが、その与えるインパクトは飛び抜けており、ある商品を重点販売したい時などにおススメです。

補助POP&声かけ

商品の価値や特徴を分かり易くお客様に伝えるためのPOP等を周囲に配置し、更に従業員が「こちらの商品はいかがですか」とお客様に声掛けをします。
これにより視覚と聴覚に効率よく訴え、売上を伸ばすことができます。

POP看板で親近感の増加を

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POP看板は、商品の特徴や魅力を分かり易く伝える為に陥るのが一般的ですが、お客様を和ませる「遊び心」や「笑い」「ゆとり」のあるPOPを追加することで親近感を高めることができます。
店の親近感が高まれば、自然とリピーターの数も増え、売上が向上するかも・・・

親近感のあるPOPはどんなもの?

親近感のあるPOPを作るには、「遊び心」や「笑い」、「ゆとり」を持つことが大切です。
手書きのイラストで作成しておくとその効果はさらに高まります。
ただし、イラストは下手でも構いませんが丁寧に描きましょう。
単に手を抜いただけのイラストの場合は、逆効果です。
また、内容については、日頃の会話の中で面白かったものをアレンジすることがおススメですが、少し真面目にしたい場合には次のような内容もおススメです。

お客様紹介コーナー

来店されたお客様の笑顔の写真や、完成した商品の写真を掲示し、お客様との心の距離の近さを現します。
ただし、よほどの親しい常連客でもない限り写真撮影には協力してくれないでしょうから、このコーナーができるかどうか自体が店にとっての一つのステータスでもあります

スタッフ紹介コーナー

スタッフの顔写真や名前、プロフィルを紹介し、お客様に親近感を持ってもらいます。
また、専門の資格の有無なども併せて紹介しておくと高い信頼も勝ち取ることができます。

お買い上げ商品点数を増やす看板のポイント

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お客様にお買い上げ商品点数を上げてもらうポイントは、「せっかくだから!」と思わせることにあります。
したがって、お買い上げ商品点数を増やす看板を作りたい場合は、「せっかく来たのだからこれも買っていこう」というお客様心理にカチッと火をつけるようなものを目指すことがポイントです。

上手な看板の作り方

お客様心理に火をつける看板を作るとき、気をつけることは、「されもこれも買ってほしい」と欲張るのではなく、ある一定のパターン、すなわち、「この商品を買ったお客様はあの商品も購入する傾向がある」ということを絞り込んで、その部分を強調することです。
例えばお酒を買いに来たお客様に「このお酒にはこのつまみがおススメ」みたいな内容の看板があれば、ついでにそのつまみも買っていくでしょう。
このような細かい増加の積み重ねが、売上の大幅なアップにつながるのです。
その為にも、これまでのお客様の購入情報や現場における接客パターンをまめに分析し、セット販売した商品をピックアップして、二品目、三品目に誘導する看板を作成しましょう。

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ウェルカム看板で親近感アップを

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予約客など、その日に来店するお客様が事前に判明している場合、ウェルカム看板で来店を歓迎し親近感をアップさせることができます。
名指しで歓迎されればうれしくなるのは誰も一緒、気持ちよくなって財布のひもも緩むというものです。
実際、このような小まめな配慮が売上増加の秘訣でもあります。

そもそもウェルカム看板ってなんだろう?

ウェルカム看板は、結婚式でゲストを迎えるウェルカムボードと、観光旅館などの入り口におかれる「歓迎!!○○様ご一行」の看板を足して2で割ったようなネーミング看板です。
作り方は非常に簡単で、書き消し可能なボードに、店の雰囲気に合うようなディコレーションをすれば完成。
あとは、予約をいただいたお客様の名前を必要に応じて書き込んでいくだけです。

ウェルカム看板の思わぬ効果

ウェルカム看板はわざわざ来店してくださるお客様に熱烈歓迎の意を示すことで、お客様の親近感を増加させ、「ここまで歓迎してくれるならば、また何か買っていこう」という心理に火をつける事を目的にしています。
また、再来店の可能性も高まり、店舗の売り上げ増加も期待ができます。
なお、副産物的な効果としては、店頭を行きかう通行人がこのウェルカム看板を見ることにより、「はやっている店なんだな」とか、「温かみのある店だな」という印象を持たせる効果もあります。